フクロモモンガの飼育 よくあるご質問

飼育環境編

Q:はじめてのフクロモモンガ飼育です。最低限用意すべきものは何ですか?

A:以下のものをご用意下さい。
■ ケージ
ケージは幅より「高さ」を重視してください。縦運動(滑空やバック宙ジャンプ)が大好きだからです。
スチール製の網ケージは比較的安価です。「フクロモモンガ ケージ」「鳥用 ケージ」で検索すると高さのあるケージを通販で見つけることができます。
アクリル製は視認性が高く、インテリアにもマッチしやすいですが、高価です。

■ ポーチ(寝袋)
自然界のフクロモモンガは木の穴を巣穴にして暮らしています。
ポーチのようなフクロを壁にぶら下げてあげる、または、2枚重ねのハンモック状の寝袋を吊ってあげてください。
素材は、毛布のようなフリースが大好きなようです♪洗い替えも用意してあげてね。

■ 水飲み器
ボトル型で外付けのものが水の入れ替えも楽ですし、衛生的です。
ペットボトルと口径が同じタイプのものを選ぶと、100均で売っているボトル洗い用ブラシで洗いやすくなります。

■ 餌入れ
100均で売ってるお皿で十分です。

■ 床材
ケージの床が網タイプで引き出し式のものであれば、床材は必要ありません。
匂い対策で、猫砂を敷いたりペットシーツを敷いて取り換える人もいます。
でも、毎日うんちの様子を見た方が良いと思うので、引き出しをささっとトイレットペーパーで拭いておトイレに流しちゃえば衛生的。
ケージの床が網じゃない場合は床材はあった方が、体が汚れにくくなります。市販の小動物用床材を敷いて、汚れた部分をすくい捨ててください。

Q:飼育環境(温湿度)として気をつけることはありますか?

A:室温は24度~27度がベストです。
冬の寒い日や夏の暑い日は(人間もそうですが)特に室温に気をつけてあげてください。
エアコンでお部屋丸ごとを管理することが一番楽ですが、冬の外出時にエアコンスイッチを切りたい場合、ケージ用の暖突やパネルヒーターが必須です。
ヒーターも種類が色々ありますが、ケージの半分だけ暖まるように設置して下さい。(熱すぎた時、逃げられる場所を確保するため)

夏場は30度が限界です。涼しい日陰の通気良い場所にケージを置いてください。

湿度は、人間と同じように過ごしやすいよう加湿と除湿をしてあげてください。

Q:餌は?

A:フクロモモンガは雑食性なので何でも食べますが、食べ物によっては中毒を起こすものがあるので気をつけてください。
(詳細は飼育本やネットなどで検索して下さい)
当店では、フクロモモンガ用もしくは新世界サル用ペレット(固形の総合栄養食)を常に食べられるようケージ内に常時置いています。
毎日、夕方から夜、ペレットの補充と共に、人間が食べる食事の材料の一部を加熱して与えています。(肉とか魚とか卵など)
野菜や果物もとても喜びます。人間がバランス良く食事を摂るように、フクモモにも色々な栄養を与えてあげてください。
ただし、果物の種(←毒)アボカド(←毒)玉ねぎ(←猛毒)などなど、ほんともう絶対ダメって食べ物があるので、ちゃんと調べて知っておいてね!

ペッペカスについて←これから記事を書きますね💦

Q:1匹でも問題ないですか?

A:飼うことは可能です。但しモモンガは集団で生活する動物なので、その代わりは人間がやってあげてください。ずっと独りぼっちにしておくと寂しさから自傷行為に走る個体もいます。また、冬の寒さを考えた時、お互いを暖め合うためにも2匹以上で飼うことをオススメします。

繁殖について

Q:繁殖は簡単ですか?

A:そう難しくはありません。
ペアリングして、新たな命を授かるのも飼育の中での楽しみの一つです。
特に、フクロモモンガは有袋類ですので、お母さんのお腹の中からちょっとだけ尻尾が見えたりしたときは「うわ~」って感じでちょっとした感動を覚えます!
相性の良いペア同士でしたら脱嚢後半年くらいから子供が生まれる可能性が有ります。
モザイクなどはいろいろな模様が出現するので次はどんな子が生まれるだろうといった楽しみもあります。
但し、モモンガはモノではなく動物ですので自分が責任を持って育てられる範囲で行うことが、全てに先んじて遵守すべき重要な事項となります。

Q:年にどれくらい生まれるのですか

A:相性の良い健康体のペア同士でしたら3回/年ぐらい生むと思います。
(大体1回で2匹の子供を産みます。1~3匹/回)
但し、母親の負担にもなりますし、飼い主として飼える範囲もある程度決まっていると思いますので、♂同士/♀同士のケージにして繁殖させないようにする等の対処が必要になるかと思います。(なお、♂同士/♀同士での飼育も基本的には問題ありません→違うケージに居るもの同士を一緒にさせた場合、最初は臭いが違うのでお互いにビービー騒いだりしますが、10分程度でお互いの臭いを共有し合うと大人しくなります。(逆に15分以上ビービー言っているようであれば、よっぽど相性が合わない、あるいはよっぽどお互いがチョウビビりだと思われますので一度元に戻した方が良いでしょう→ケージを隣り合わせにしてお互いが慣れる時間を作った後にリトライ)

Q:リューシの♂を飼っているのですが相手には何がオススメですか?

A:ちょっと待ってね(^_-)-☆

Q:増えてしまった場合はどうすれば良いですか?

A:増えてしまう前に、増やさない努力をしましょう!!
なお、増えてしまったからと言って外に逃がしたり、食事をろくにさせなかったり、免許もないのに他者に売ったり。。。こういった行為は全て法律で罰せられます!!
責任を持って最後まで育てましょう!

病気について

経験上、親離れ(一人餌)後に亡くなることは殆どありません。
また、亡くなる際はじわりじわりと言うよりは突然死が多いように思います。
ですので、遺伝的な内臓疾患とかよりは急性XXと言った疾患によるものではないかと思われます。(獣医師免許持ってないので、ここは経験上の推測)

Q:ぐったりとして痙攣しているような感じがします

A:私の経験の中で突然ぐったりしたケースの理由の殆どは、脱水によるものと推測しています。外掛け式の飲み口にボールが付いた形式のボトルを使っているのですが、たまにボール部分が固まっていることが良くあります。
そうなるとモモンガは吸水できず、飼い主は水がまだたっぷり入っているから特に気にせずにいると、ある日突然ぐったり・・・
慌てて水を飲ませると、半日ぐらいで回復するのですが、毎回モモンガには申し訳ない気持ちになってしまいます。

Q:白内障について(目が白い子が居るのですが)

A:これもたまに経験する病気です。目が白く濁ったような状態になります。
遺伝によるものと後天性のものがあります。(これ以降は獣医師ではないので経験則のみです)
遺伝によるものについては、累代飼育している者としては回避可能(系統的に白内障が生まれる系統は繁殖させない)なのですが、後天性については中々難しいところがあります。
経験上やはり元々弱視?である赤目系に後年発症する例が多いように思われます。
また、妊娠している母親が栄養過多?(脂肪過多)の際、白内障が生まれることが多いとの記述を読んだことがあります。
基本的に後天性は治る可能性も有るようですし、それ以上悪化させないためにもお医者さんへ行かれることをオススメします。

事故

Q:飼育する上で気をつけるべき事はありますか

A:気をつけるというか、今までに経験した事故についてちょっと触れます。
先ほど別の箇所にも書きましたが、給水ボトルのボール部分が固まってしまい、そのまま吸水できずに脱水状態になる事例がたまに発生します。換水時にボールの部分を押してみて固まっていないかを都度確認する等のこまめな作業が必要となります。
ポーチのほつれ部分、ひも部分への絡まりによる窒息、壊死
知らず知らずのうちにほつれたポーチ、あるいはひもの部分。あとは表地と裏地の間。
これらはモモンガにとっては生命をも脅かす凶器となることがあります。
ほつれたひもが足や手にからまったり、最悪首に巻き付いた場合には窒息死もあり得ます。
足でもそのまま放っておくと足が壊死してしまう恐れもあります。
私も首に・・・までは経験はありませんが、良く足の爪が伸びすぎてポーチから外れなくなった状態を見つけることがあります。常にモモンガを観察すること、ほつれたポーチ、詰まった給水ボトルなど危険な因子はないか、日頃から注意することを心がけましょう。

その他

Q:慣れますか?

A:慣れます。でもいつも答えるのは、「あなた次第です!」
要は、如何にモモンガとの信頼関係を築けるかですので、如何に長い時間/如何にモモンガに気持ちになって/如何に優しく/・・・してあげられるかで懐き方は当然違ってきます。
また、臭いを共有することで集団生活をしているモモンガですので人間の臭いにいち早く慣れさせることも重要です。両手の手のひらでそっとモモンガを包んであげると、はじめはギーギー言うかもしれませんがそのうち安心して手のひらの中で眠るようになります。(注:「そのうち」には個体差があり、数日から数週間に及ぶものもいます。(^0^;)

Q:大人になっても慣らすことは出来ますか?

A:出来ます。詳細同上。
但し、子供の頃から飼育した方が、まだ力も強くないので力でねじ伏せる?(言葉は妥当ではないですがニュアンスとしてはそんな感じ)事が可能ですので、大人の抵抗よりは楽です。

Q:性格は結構違いますか?

A:これが結構違うんです。ビビり、静か、活発、飛びまくり、冒険家、威嚇屋、さみしがり屋、ロンリー派色々います。

Q:爪はどうやって切れば良いですか?

A:一番安全で簡単なのは、ペットショップ等につれて行くことです。
但し、400~500円/匹程度のコストがかかってしまうので、スキンシップのためにも家で切ってあげてください。
タオル等で包んであげて、爪切りの刃の部分に引っかかる部分だけを切ります。
多分、0.05mmぐらいでしょうか。(適当ですが如何にちょっとだけを切るかを言いたかった)
頻度は1回/2週間ぐらいとか聞きますが、人の肌に触れた際痛い感じになったら切ってあげれば良いと思います。

Q:♂同士でも飼えますか(喧嘩しませんか)

飼えます。♂同士に限らず、♀同士や♂♀でも違うところから同居させるとほぼ間違いなく双方で威嚇し合います。但しちょっとすれば双方の臭いを共有し静かになります。

Q:Q:臭いは結構しますか?

A:モモンガは臭い(♂の臭線から臭いを発する)によって集団行動をしている動物です。
従って、全く無臭と言うことはありませんが、決して我慢できない臭いではないと思っています。(てか、私なんか気になったことすらない←鼻がバカになってるのかも。。。。(笑)

Q:ルビーレイって何ですか?

A:クリミノとリューシの二重劣性個体です。
要は上記2種類の毛の色(因子)を併せ持った個体です。
ルビーと言う名称は目の色に由来しています。

Q:今人気のある種類ってどれですか

A:ちょっと前(半年~1年前)だったらクリミノかな。
毛色(クリーム色)と赤い目が特徴で、とても人気がありました。
当時そんなに頭数がいなかったことも有り、♀ですと10万もくだらないような値段で取引されていましたが、最近は供給過剰気味で値段も下がり気味です。(イヤ、確実に下がっています(^0^;))
では、次は何が人気か?→マニアの間では、ルビー系やパイド系、さらには私のよく知らないXXX系がありますが、個人的にはアルビノがまだ全然でてないなぁと思うのと、それに合わせてルビーアルビノなんてのもどうかなとかモザイクでも最近ではアシンメトリな模様の個体とかパイド系の個体とか面白いのが出ているので、そっち方面も攻めてみたいと思っている次第です!!

Q:何年ぐらい生きますか?

A:ものの本にもよりますが、約8~10年程度です。

Q:大きさはどのぐらいになりますか?

A:これも本によって若干違いますが、12~15cm程度です。
なお、尻尾は身体とほぼ同じ長さです。(長い!)

Q:どのぐらいで大人になりますか?

A:脱嚢後、約半年~10ヶ月程度で性成熟すると言われています。

Q:飛びますか?

A:飛ぶと言うよりは滑空します。

Q:なるべく小さな子(生まれて間もない子→脱農してすぐの子)が欲しいのですが。。。

A:この質問には、ある意味憤りさえ感じることもあるのですが、
飼いたい人の意図としては、なるべく小さい頃から飼った方が人間になれるから・・・
この意図は分からないでもないですが、これこそが「無知は罪なり!」の典型ではないかと・・・
そして、これは売る側の利害(早く売りたい!)とも一致するため、良くある事象になっているわけです。
では何故これがいけないのか?何故私が憤りを感じるのか??
まず、脱嚢した子はその後も母親の母乳を一杯飲んで大きくなって行きます。
母乳には様々な栄養分が含まれているだけでなく、これから生きていくために必要な抗体とか(これ以上はお医者さんでもないので止めときます)、が含まれているわけで、経験では母乳で育った子と(母親の何らかの理由で)粉ミルクで育てた子では体格に大きな違いが出るばかりでなく、その後の健康状態にも違いが出てきます(寿命、出産可否(有無)、精神状態??、最終的な大きさ・・・)
また、旧愛護法(今の法律名の正式名称チト忘れた)においても、一人餌(一人で大人と同じ餌を食べられる状態)になるまで販売はしていけないと明記されています。←破ると最悪逮捕&実刑
要は、子供が独り立ちできるまで業者は売ってはいけないし、飼う側も買ってはいけないのです。
これは法律が云々以前に、動物を飼うものとしての最低限の知識で有りモラルであるとも思うわけです。
フェアなどでの出品時にも「えっ、これで3ヶ月ですか?うちのと比べるとずいぶん大きい!」との言葉を頂くことが良くあります。
最初はどのぐらいの大きさで買われたんですか?と聞くと、とても一人餌にはなっていないような、あるいは大人の餌をひとかじりでもした瞬間に出したのでは?と思うような大きさだったりするわけです。

改めてこの世界(小動物業界)での最優先事項は何か?
売上げ?
人間のエゴ?
色んな毛色の繁殖/ブリード?
その他(立場によっても違ってくるが)

最優先事項はどの立場にいてもモモンガ(小動物)の健康で有り、命であることを忘れてはいけないと思うわけです。
勿論、こんなこと(ある意味正論)を言えるのは、趣味の延長としてやっている、本業ではないと言うお気楽さによるものかも知れませんが・・・